「神回復」と呼ばれるものをご存知かな?
GEでは回復バレットを撃つことにより、命中した味方を回復することが出来る。これにはある特徴があって、味方の体力が0になっても、戦闘不能(地面に倒れる)までに回復弾を当てることが出来れば、その味方は戦闘不能にならず行動可能となる。
当てるタイミングは難しく、成功するかは完全にプレイヤーの力量次第。それでも実行する人は次々現れ、神がかった回復技という由来から、GE達はこれを神回復と呼ぶようになった。
今回はその神回復について解説する。
◎神回復の歴史
神回復が生まれたのは実はいつか分かっていない。初代GEから縛りをしている人達の間では既にあったかもしれないが、ここでは僕の体験を元に話していく。
GEBが発売されてから日も浅い頃、マルチではランク1装甲縛りが密かに流行っていた。防御力を極限まで減らし、一撃死に近い状況を楽しむ縛りだ。当時はまだ神回復の行動はほぼなく、神回復という名称すらついてなかった。
*僕が縛りを始めたのはGEB。最初期は神回復をする人も一人しか見かけてない。
縛りも賑わい始め、徐々に上達する人が続出した頃に、神回復が意識され出した記憶がある。少なくともGEBから縛りを始めた人にとってはそうだった。
倒れる寸前を狙う回復弾が増え、誰かが言い出した神回復という言葉とその技術。それは縛りイーター達の間でいつの間にか共通の認識となっていったんだ。
◎神回復の難易度
上記でも説明したけど仕組みは簡単。被弾し、怯み動作になった味方に回復弾を当てるだけ。まあ実行するのは簡単ではないよね。
難しい理由を挙げていく。
まずはタイミング。ここが一番重要だね。被弾中に当てるというのが肝心で、最長で継続するやられモーションの吹っ飛びも約1秒程度で終了する。その短い間に銃身を構え、味方にある程度銃口を合わせてバレットを撃たなければいけない。
戦闘中にこれを行うんだけど、戦闘経験の浅い人は特に難しいと思う。敵味方の動きを見る余裕がいるし、操作に慣れてなきゃスムーズに神回復に移れない。
やりこんでる人でも操作や戦闘に余裕がない状況だと同じことが言えるね。この状態で神回復を意識してしまうとどんなことが起きやすいかまとめる
- 無駄に変形する頻度が多くなり、時間のロスと隙の増加
- 戦闘の中心部から少し離れて狙う為、回復意識しすぎると遠くでウロウロするだけの傍観者に
- 明らかに誰でも避けれそうな攻撃(単体のハンニバルの槍とか)に対しての無駄撃ち回復
- 状況確認しない変形からの被弾
まあこんなの誰でもあることだけど、意識するかしないかで明確な差は出る。
経験問わず、戦闘に余裕のない状況では神回復は無理に狙わないほうがいいよ。
◎神回復のコツ
実際はどんな時に狙えばいいのか。
そもそもの条件が被弾中の味方に当てることなので、その時までには銃を構える姿勢が整っている必要がある。ここで活かされるのが戦闘の経験だ。
具体的には
- 敵の行動予測(攻撃推測)
- 味方の行動予測
- あらゆる部分に目を向ける注意力
- とっさの判断力
- 的確な操作
これらが挙げられる。上の三つを詳しく見ていこう。
【敵の行動予測(攻撃推測)】
これは敵の動きに慣れようってことだね。敵が攻撃してくるタイミングで銃に変形すれば神回復のタイミングは取りやすい。でも闇雲に変形したら行動に無駄が生じるのには注意。
また、敵の行動や攻撃の軌道を予測できれば、自分が狙われている時でも余裕を持って対処できる。
例えばハンニバルの炎嵐。全方位に向かう炎の渦には回避方法があり、知っていれば自分は攻撃を避けつつ、味方のピンチも救える状況がうまれる。これと同じ場面は数多く存在し、乱戦でも敵の動きを知ることは大いに役立つ。ある意味一番差が開く要素かもしれないね。
【味方の行動予測】
敵だけでなく味方の行動もある程度予測できれば神回復をするうえで有利になれるのは間違いない。これはマルチにも慣れていないと正直難しいかもしれない。三つのパターンを紹介しよう。
・不慣れな人への神回復
あらゆる人が集まるマルチの場では、やりこみの差は個人によって違う。その人の動きを見ればどの程度慣れているかが分かるわけで、やりこんでる人ほどそれはすぐ判断できると思う。まあスポーツや仕事と同じだね。戦闘が慣れてない人への神回復はゲーム慣れしている人ほどやりやすい。具体的なコツとかはないけど〔この人被弾しそうだなー〕とか。とにかく被弾のタイミングが判断しやすいのはあると思う。
・慣れた人への神回復
問題は戦闘に慣れた人への神回復だ。
味方に対し
〔この敵の攻撃はあの状況じゃ対応できない〕
〔もしかしたら被弾するかも〕
という考えを持って動くしかない。プレイヤーの力量よりその場の状況を見て判断したほうがいい。いつ被弾するか分からないから危険度の高い攻撃や、安定して避けられない状況を随時見極めて行動しよう。
例としてセクメトの連続火球。あれはかなりホーミング性が高く、真横を通り過ぎるまで安心はできない。味方が安全な場所まで回避しきれないだろうな、と思ったら回復待機したほうがいいね。
乱戦の場合、その場にいる全ての敵の行動を把握しつつ、味方の行動も見なければならない。これ自体は難しそうだけど実はそんな難しくはない。ただ自分が攻めたい場合や生存したい場合、それに伴う激しいカメラ移動で注意をあらゆる場所に向けるため、集中力はかなり消費する。
さらに乱戦だと思い通りに行動ができるほうが少ないから、頭で分かっていても神回復が間に合わないこともよくある。これはしょうがないよね。神回復はあくまで余裕のある時に。基本的には自分の生存を優先して行動しよう。
・戦闘外からの支援
これはちょっと例外で、味方の動きは見るけど自分の動きを調整しなくてもいい場合のことを指す。具体的には受け渡し弾を味方に渡す時、自分の安全を確保するために敵から大きく離れることがある。そこで受け渡しついでに神回復を狙えそうなシーンを見極めるってことだ。
これのメリットは自分の安全をそこまで意識する必要がなく、味方の状況に集中できること。受け渡しで既に銃を構えてるから神回復も間に合いやすい。
戦場が激しいと全体の把握も難しくなるため、この行動は特に混戦している状況では有効になる。
逆に神回復を予想して銃を構えたけど味方が被弾しなかった場合、何もしないのはちょっともったいない。余裕があるなら受け渡し弾を誰かに渡してあげよう。それを意識するだけでも変形や移動が無駄な行動にはならないからね。
*この[神回復狙いだったけど受け渡しになるパターン]は乱戦中は結構あることで、僕なんかはほとんどそうだ。マルチ配信でも〔ここはこういう考えで動いてるのか〕みたいなことを考えながら見るのもまた一興ですよ。
【あらゆる部分に目を向ける注意力】
これまで紹介した敵味方への対応はいずれも注意を向けていなきゃ出来ない。そこで最も重要なのがカメラ操作。いわば視覚情報の確認だ。その役割は大きく三つ。
- 敵の行動確認
- 自分の安全確認
- 味方の行動確認
どれも〔これからどう行動しよう〕って考える時に必要だね。これらを円滑に行なうためには迅速なカメラ操作が求められる。どこでも言えることだけど、画面(視覚)からの情報を多く集めることは、これからの行動の判断材料になる。車や自転車の運転と同じで、目をあちこちに動かして色んな情報を集めて、一歩先の未来が危険か安全か判断するんだ。
他にも、ミニマップや体力バーは敵の動きや味方のピンチを把握できる。マップでは敵がどこを向いているかを。体力バーは様々な理由で敵が見えなくなってしまった場合に役立つ。どちらもカメラを動かさずに情報を得ることができるから、慣れると相手のほうを見ずに神回復することも可能。
また、視覚とは別に聴覚(ゲーム音を聴くこと)で判断できることもある。例えば味方の被弾ボイス、敵の発する音など。それで回避や神回復のタイミングを測ることもできる。
*僕は普段ゲーム音はほとんど聴かないから正直この辺は詳しくない。
一応、何も意識していなくても味方の被弾に気づき、とっさの行動をとれば神回復が成功する場合がある。反応速度の違いはあれど、大体の人が無意識にできることだと思う。この際、自分の安全が確認できていればさらにベストだ。
まとめると、事故らないために注意をあらゆる部分に向ける必要がある。そのためには素早いカメラ操作をしなきゃいけない。また、色んな要素(マップ、体力バー、音など)から情報を集めれば、画面外の味方へ神回復をすることもできる。
◎神回復のバレット
- レーザー
- 直進放射
主に使われるのはこの二つのタイプ。弾丸は敵を貫通しないから回復に向いていない。爆破はラグや密着地帯でも当てやすいメリットがあるけど、範囲を広げようとするほど消費OPが増える。神回復を目的にBEするならOPの消費はなるべく抑え、一瞬でも速く、確実に(※)相手に当たるように作るといいかも。
※取りこぼしがないように調整するという意味。マルチだと電波や味方の動き次第では、命中しても回復判定にならないことがよくある。
一例を挙げる。
俗にいう回復放射ってやつだね。僕が一番よく使っているバレットだ。
メリット
- 味方へのホーミングがないから好きな方向に射出できる
- 範囲が広く、場合によっては複数人同時に神回復可能。
- ジャンプ撃ちしても地表を這う設計だから空中でも撃てる。(ジャンプ撃ち対応)
デメリット
- 真っ直ぐ飛ぶため斜面に弱い
- ホーミングがないから当てるにはちゃんと味方に銃口を向ける必要あり
- ドローバックから撃つとバグの影響でバレットが埋まる
手動狙いだからこその長所短所がある。乱戦ではレーザーよりこれを好む人のが多いかも。ドロバ撃ちのバグは説明すると長くなるから割愛、ドロバからの回復放射は厳禁で。
これはレーザータイプ、ジャンプ撃ちに対応したやつだね。一応ジャンプ撃ち対応について説明しよう。ジャンプし空中でバレットを撃ったら、その真下付近にいる味方には回復弾は当たらない。いくらホーミングがついてても頭上を通り過ぎちゃうよね。これを解決したのがジャンプ撃ち対応で、BEの画像を見てもらえれば大体分かると思う。ただの単発レーザーを撃つより、こういった工夫があれば神回復はよりしやすくなる。
次はレーザーが二つあるタイプ。これは命中率を上げる役割、取りこぼしを防ぐ役割がある。ディレイをかけることで味方の動きにさらに対応しやすく、マルチ特有の判定不発に対する保険の意味もあるね。最初が不発になっても後続が当たれば問題ない。OPはくうけどその分安定度も増している。パッと見分かりにくいけどジャンプ撃ちにも対応してるね。
これは僕のお気に入りで回復放射とセットで使用しているやつ。画像の通り、自分の向いてる方向とは真逆に回復弾を放つ。元々ハンニバル神速種の炎嵐中の神回復目的で作ったんだ。ジャンプ撃ちの反動で炎渦を回避しつつ、その先にいる味方を神回復する。目論見は大成功で、立ち回りがとてもスムーズになった。他にも乱戦で役立つことは多い。
回復放射も乱戦でレーザーが使いにくかったから作ったもので、自分の立ち回りに合わせた回復バレットを作るのは、新しい戦闘スタイルを生み出す可能性もある。
*可能性は無限大だ!
あとがき
なんか思ったより長い記事ができてしまった。まあそれだけ語れることが多いということ、神回復は奥が深いということだ。色々と書いてきたけど、結局文字見てるより実戦を経験したほうが早く上達する。それでも戦闘中に意識することで、新たな気づきがこの記事で発見できたのなら、それは僕にとってとても幸いなことだ。
では、またね。