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god eaterを中心にゲームの記事を書きます。時々日常

印象

 

神奈川県にある江ノ島に行った時の出来事。

自然豊かで海に囲まれたこの小島は、有名な観光地として栄えている。付近にも観光名所が多くあり、訪れたことのある人や、地名だけでも聞いた事のある人は多いんじゃないだろうか。

 

島の最奥部には中規模の洞窟があり、そこに訪れた。正式名称は“江ノ島岩屋”。

至るまでには山特有の傾斜や、細くて長い階段など、味はあるが体力を消耗する道程。都会人なら息切れすること間違いない。

 

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この洞窟は波の力で岩壁が削られたことにより生じた海食洞窟で、圧倒的な自然の息吹を感じさせる。中は観光用にある程度整備されていたが、潮の香りや、天井、岩壁の所々で滴る水、目の前で打ちつける波、猛烈に吹き付ける波風といった感覚的な情報は、荘厳とした佇まいを損なわせない。

 

 

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薄暗くも、外から光が差し込む空間に点在するのは島に関する資料や、洞窟の歴史、当時の写真などの紹介物。この手の観光地にはありがちなものだ。

 

 

 

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波の音が鳴り響く。潮の香りが充満する。

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狭い通路に差しかかる。道沿いに、島にまつわる仏像が置かれている。大きさは足がついた扇風機ほどで、迫力はなくとも雰囲気は味わえた。天井が低い場所もあり、かがんで移動する場面もあった。

 

 

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洞窟もいよいよ最終地点。そこで待ち受けていたのは龍神を象った作り物の像だった。

 

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なんだこれは。

今まで自然と和を重んじた雰囲気で統一されていたのに、突然中国のテーマパークにありそうな置物が存在してるぞ。

 

派手なライトアップ、写真では分かりづらいが結構な大きさ、島に関連しているかいまいち分からないこの像は、脳を混乱させるのに十分だった。冒頭でも書いたが、島の一番奥にある最後の観光スポット、その洞窟の最奥地にこれがある。どういう意図で置いたんだろう。

龍神といえば水にまつわるイメージはあるが、そういうことなのだろうか。しかもこれ、看板には手を叩いて音を出すと仕掛けが発動する、と書かれている。

 

興味本位で実際に手を叩いてみた。

雷が落ちた時にそっくりな轟音がうるさく鳴った。

 

 

????

ますます訳が分からなくなった。

 

多分深く考えるようなものじゃないだろう。ファミリー層向けの仕掛けかな、小さい子は喜びそうだ。そう思いながら踵を返す。

 

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帰り際、頭ではある思考が働いていた。

「これは使える。」

不思議な体験だったが、インパクトは十分だった。少なくとも、江ノ島旅行の記憶を振り返る際、この出来事をきっと思い出すだろう。

非日常的な洞窟という空間で、謎の龍神像に向かって手を叩いたら、けたたましい轟音がなる。こんな経験、他の場所では一生しないと思う。

この特殊な体験のメカニズムを僕は評価したい。提供する立場になった時、参考にしたくなる程には。

 

人々の印象に残るものを創造したい、それが作品や出来事、思想であろうとも。その想いに呼応する心がある。

そこまで考えたところで、これを記事にしようと決めた。

 

 

✴︎

 

 

後日この龍神について調べたところ、江ノ島龍神信仰の地として栄えた時代があると知った。あの派手な像は、しっかりと島に関連した置き物だったのだ。洞窟内の資料にはそんな情報見当たらなかったが。

何はともあれ、印象に残る出来事だった。パワースポットとしても有名みたいだが、確かに得るものはあったよ。いつかの未来でまた思い出す時を、楽しみにしている。

 

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